株券は現在は、「発行しない」のが基本です。(以前はデフォルトが「発行する」でした)株券を発行する会社は、株券を発行する旨を定款で定めます。株式の譲渡について考えるとき注意するポイントは、「株券発行会社か否か」ということと「それを誰に対抗するのか(第三者か会社か)」ということです。

株券を発行しない会社では
株券の譲渡は当事者の「意思表示」(民法の一般原則)で足ります。
それを会社と第三者に対抗するには「株主名簿の書換え」が必要です。

株券を発行する会社では
株券を占有している人=株主が基本ですので、株券の譲渡は「株券の交付」で成立します。
この場合は、会社と第三者では対抗要件が異なります。
会社に対しては、株券を発行しない場合と同様「株主名簿の書換え」です。
第三者に対しては「株券の占有」です。

株券発行会社では、第三者と会社の対抗要件が異なる、というのが案外忘れがちです。
いずれにしても会社にとっては、株主名簿に記載されている株主を株主として扱えばいいということです。