留置権は非常にシンプルな物権です。できることは、目的物を自分のところに留めておけるだけ。優先弁済権はないし、物上代位もできませんが、持っていることはずっとできるので、ある意味最強です。法定担保物権なので、設定契約をすることはなく、占有が効力発生要件のひとつなので、登記もありません。
効力発生要件は
①占有 ②物に関して生じた債権 ③弁済期
の3つで①と③は非常にわかりやすいです。ここまでなら、それほど悩むことはないのですが、②の牽連性の判断は理解しにくい。
牽連性について
牽連性の判断は、図を描いて矢印が向かい合っているかを考えます。矢印が向かい合っていないと、目的物を留置しても債務を負っている人を強制できないからです。
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その他ちょっと気になる点
留置権者は、目的物を競売することはできますが、その代価に対して優先弁済権は持っていません。ただし、目的物から生じる果実については、優先権を持っているのが注意点です。