篆書という書体があります。ハンコなどに使われる書体のひとつで、一番「読めそうもない」書体です。先日別用で図書館に行った際に、たまたま見た書棚で「篆書 入門から応用まで」という本が見かけて、「そういえば、篆書好きだったな」と思い出した。
この本は書道に拘らずに、鉛筆でも筆ペンでも何でもいいから書いてみなさい、という内容です。書道は決まり事も多いので、もっと手軽に好きな筆記具で書いていいよ、と。書道では「楷書」「行書」「かな」などの基本書体をやってから「篆書」「隷書」なんかをやるらしいのですが・・・そんな順番踏んでいられない。その矢先、たまたまネットの検索で、某大学の書道講座に「篆書」があることを知ったのでした。
手描きの文字はいい。毎日活字(書体)ばかり見ているので、憧れがあるのかもしれない。多分、書道だという事実は頭から抜けていたんでしょう。「篆書」としか。何しろ書道は小学校の「お習字」以来だし、しかも私はお習字がどちらかと言えば嫌いだった。
初回講座の前日には、来てはいけない場所に来たかなと思いました。(馴染みの美容師にこの話をしたら大笑いされました。彼は小学校時代ずっと書道教室に通っていたそうで)。
が。いざやってみますと。
面白い。
線を引くとき、よく思い出すことがあります。昔設計事務所に入社した折(私は建築初心者でした)のこと。初めてドラフターに向かい、シャープペンシルと定規で直線を1本引いた。いきなり「線が死んでる」と言われまして。それまで1本の直線に生き死にがあるなど考えたこともなく、奥が深いなと。
私は想像力は貧弱なので、本で理論を読んでも、手を動かさないと理解できないかあるいは、すぐ忘れてしまう。それに、大概本当に知りたい事、大事なことは本に書いてない。というか、本に書けないというのが正解か。
書道用具を揃えるのに、いくつか専門店を訪れたので、参考までに記載しておきます。
上野 【笠井劫榮麓】
若いお嬢さんと、年配の方のお二人がいらっしゃいまして、若い女性は、私が初心者だというといろいろ細かく説明してくれました。まだ買い物をしたことはないのですが、駅から近くで雰囲気も落ち着いていて、入りやすかったです。
目白【書道センター】
入りやすくオープンな雰囲気で、いくら眺めていても放っておいてくれるので気楽でした。駅からちょっと遠い。価格は多分安いと思います。
浅草橋【光雲堂】
駅からすぐです。購入したいものを決めてから行ったほうがいいかも、と思いました。
銀座【鳩居堂】
書道に全く興味のなかった時代でさえ知っていたほど、銀座の真ん中にあり、いつも混んでいます。私にはちょっと敷居が高い感じ。