篆書講座最終回、恒例の講評会のメモです。全作品について、先生が講評した内容をメモしておきます。実際の作品がないので、メモだけで役に立つのか?というと、役に立つ、と思います。
- 今回は墨がついているが、その分落款が寂しく見える。名前も作品の一部だ考えて最後まで書いた作品には必ず落款をつける癖をつけると良い。
- 近くで見るとまだ墨が足りない。滲みが全くないと自然な感じに見えない。字の傾きを安定させること、真っすぐのものも入れること。
- 肉は付いたけれども大きさに対して似た掠れが多い。進むべき方向はあっている。
- 画数が似ていると構成が難しくなる。大きいサイズに4文字の場合、構成が非常に大事。印が2つある場合、同サイズのものが2つは勿体ない。押す位置と大きさに注意する。
- 小さい筆を使うほうが、それ以上開かないので安定する。その代わりに線の表情と墨のツキが悪くなるので、墨が少なくみえる。文字が分かると詩文を選ぶのが楽になる。
- 墨のつき、大きさ・字数は良い。手本は最初の指標なので手本から離れても良い。サイズに少し注意。
- 簡単な文字は、1字にかける情熱が必要になる。余白がやや多い。
- だたひたすら書いているより、外に出る(気分を変える)ほうが作品が良くなることもある。大きな問題点はなく、作品はすごく良くなった。
- 墨のつきはこの中で一番良い。つけすぎると動きが重くなる。スピード感・速度感がなくなる。ややつきすぎてはいるけれども。(紙が白いほうが篆書では墨がついて見えるので有利)
- 字間がきれいにとれている。詩文のイメージをそのまま表現するのではなく、自分の中で感じたことを昇華させて書くほうが良い場合もある。墨はもう少しつけても良い。
- 線分を決定することの難しさ。墨が少し濃すぎる感じ。アキの出来そうなところに渇筆をもってくるのは難しい。
- 線が面白い(優しい、趣のある線)ふらっとしているけれども面白い。(自分はこういう線は絶対に書けない)細かいところを大事に。
- 上部は墨の感じ感じが良い(密度がある)下の方は字の中の白が多い、最終的に大事なことは出来上がった状態なので、過程はどうでも良い。
- 線がしっかりしていて、墨もついているので良い作品。
- 線分が非常に良い。どこに画数の多い字を持ってくるか。線がやや単調なので立体感に欠ける。
- 作品そのものは良い。短い線が多いので処理が大変だったと思う。同じ字が並んだからといって同じに書く必要はないが、同じに書くことで統一感が出る。変えるときは効果的に変えること。
- 墨の変化が馬にだけあるので、他の文字ももう少し頑張ると良い。
- 金文については書くことも知ることも同様に大事。作品そのものは悪くない。細かいところをかなり気にするタイプなので、こういう人は逆に大きい文字(少ない字数)が向いている。掠れに力が入っていると良い。
- 馬の字がとても良く書けている。(最初の一枚目とくらべると格段に良くなった)
自分の作品に対する講評は故意に外していますが・・・このテキストを読みかえすだけでも随分勉強になる感じがします。