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プロースト交響楽団ークラシックが思い出させてくれるもの

2018.12.05
 

先日、プロースト交響楽団というアマチュアオーケストラの定期演奏会に行ってまいりました。仕事で知り合った方が、楽団の関係者だったので、招待してもらいまして。中学校時代はブラスバンドにいたので、ぼちぼちクラシックファンでもあります。
夜中に書道の練習をしながら、クラシックを流していましたが、何度聴いても同じ箇所で涙ぐんしまうのがクラシックという音楽です。私がいくらロックが好きでも、ロックで涙ぐんでしまうということは、余程演者に思い入れでもない限りありません。が。クラシックは、同じ演奏の何分何秒のところで、必ず涙ぐんでしまう。音楽に説明は一切ない。私の身にも何ひとつ悲しいことはない。なのに何故こうも心が持って行かれるのか。
静と動、強と弱、大と小。ソリストからオーケストラへ、オーケストラからソリストへ。変化は作曲家と指揮者・演奏家の共犯によるものですが、この変化に引っ張られて、心がついて行ってしまう。それがクラシックです。
で、これがナマ音になると一層激しいです。一般人がクラシックを生で聴ける機会というのはそれほどありません。でもアマチュアのオーケストラならチケット代もそれほど高くないので、気軽に聴ける。そういう意義というのは非常にあると思いました。舞台はやはり『ナマ』が一番ですので。ボクシングだってK-1だって、テレビの方がそりゃあ至近距離ではっきり見られるわけです。会場では米粒大です。でも会場の張り詰めた雰囲気と興奮はその場でしか味わえない。(ナマで体験したミルコのハイキックの感動は忘れません)

プロースト交響楽団はアマチュアですので、団員はすべて別の職業のプロです。全員が、そのことに甘えずあのレベルまで演奏をするというのは、相当大変なことです、多分。聴衆には、彼らがアマであるかプロであるかは一切関係なく、「いい演奏」であるかどうかしかない。自分のことを振り返って、如何に自分が甘いかということを痛感しました。

クラシックを聴くと、「人間の尊厳」という言葉が浮かんできます。明日のご飯やバーゲンセールのことを考えるだけじゃない。全く別のことを考え、行動できるのが人間だと、思い出す。だからこそ、日々の仕事や家事・育児に追われている人が聴くべきなのかもしれない。

山田太一のドラマ、「早春スケッチブック」の山崎努の台詞を。(私の聴き取りなので、正確な点は違っているかも)

「どうせどっかへ務める、か。どうせたいした未来はないか。馬鹿言っちゃいけねえ、そんな風に見切りをつけちゃいけねえ。人間ってもんはなあ、もっと素晴らしいものなんだ。自分に見切りをつけるな。人間は、給料のたかを心配したり、電車が空いてて喜んだりするだけの存在じゃねえんだ。その気になりゃあ、いくらでも、深く、激しく、広く、優しく、世界を揺り動かす力だって持てるんだ。偉大という言葉が似合う人生だってあるんだ。」

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