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動かない筋肉を動かす? 顔面神経麻痺 その8

2022.04.20
 

2016年に右側の顔面神経麻痺を発症してからはや6年。通常病院でやって頂ける治療は全て終了した後、2018年に東大病院の形成外科で右目周りを軽く外科手術してもらい、その経過観察も昨年末で終了しました。

現在右側の筋肉を動かす(笑うとか)と、ちょっとした違和感(筋肉が一部ひきつった感じ)がありますが、意識にはほとんどのぼらない程度です。が、証明写真なんかを撮影すると、右の口角の下がりや、左右のほうれい線の深さの違いなど結構気になる。

この段階まできてやれることは少ないです。ひとつは恐らく「鍼」ですが、これは試していません。

そして持論ですが「訓練」です。つまり「リハビリ」。何らかの原因で、手脚に麻痺が残った人がよくやるあれです。指を動かせるようになるために、何かを掴む訓練をしたり、脚を動かしたりしている。でも実際、動かない箇所を動かすのは難しいんですよね。痛くて動かせないのと異なり、命令が伝わらない状態なので。それに、そもそも顔の筋肉って意識して動かすことがないので、なおのことです・・・

そこで、動かない箇所に命令を送るという無理なことはやめて、具体的に「苦手な動き」「問題のある動き」を緩和するという方向で考えてみました。私の場合、左右の頬に均等に空気を入れることが難しい。右側をふくらませることが出来ないわけです。この現象を更に分析したところ、右の上唇のあたりから息が漏れるためだとわかりました。実際に、その箇所を手で軽く押さえてやると、右の頬もある程度ふくらませることができます。これが上唇の問題なのか、下唇が下がっている問題なのかは、微妙で判断しにくいのですが、この動きがある程度できるようになることを目標にすることにしました。

漠然と「右の唇から息がもれないよう口を結ぶ」と考えるより、「左右の頬をできるだけ均等にふくらませる」の方が、目標としてわかりやすいので、最近は、気がついたら頬をふくらませる動作を行っています。まだまだ均等にはほど遠いですが、以前よりはましになってきました。

これが、動かなくなった箇所の回復なのか、それとも新たに他の箇所でカバー出来るようになったのか、それは不明ですが。でもどちらでもいいではないですか。

舌癌の手術後、言葉の発声訓練をしていた堀ちえみさんがインタビューで「新しい発声方法を覚える感覚」だという内容のことを答えていました。出来なくなったことを取り戻すのではなく、新しい方法を覚える、ということですね。それもひとつの方法だと思いました。

もうひとつ、現在私は、法律系国家資格の受験勉強中なので、参考書をひたすら音読して録音しています。はじめのことは、少し発声しにくい言葉がありましたが、昨今はほぼ違和感がなくなりました。これは、リハビリとして行ったことではないのですが、結果としてはリハビリになっているのかも。それに、回復感覚がつかみやすいので、何気におすすめです。

顔面神経麻痺は、他の人からはわかりにくい悩みなのでねー。私も、昔の友人に会ったりすることにちょっと躊躇したりしますが、ちょっとずつでも回復できたらなと思って、続けていきます!


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