篆書講座の最終回は、作品の講評会のような形式をとりますが、講評会の前に各人の書いたものを添削してくれる回が2度ほどあります。これは2度めの添削の回のメモです。どのような作品に対してされた添削なのか、ものがないので分かりにくいかと思いますが、どのような点に注意すべきかは朧気ながらわかりますので、メモとして残しておくことにします。
ちなみに作品は半切2行の方が多数です。
- 特定の文字がとく欠けているからと言ってそれを選ぶ人がいますが、特定の文字の形の良し悪しよりも全体を評価してえらぶこと
- 人にわかるようにやらないと意味がない(自分ではやっているつもりでも案外伝わらないもの)
- 墨が平たい(どこに墨がついていて、どこについていないかが分かりにくい)
- 肉付けする一番簡単な方法は墨をつけること
- 墨はついていても、字の密度が変わっていない
- アキの白を効果的に見せるには、他の部分の文字に密度を出すこと。(墨の量ではなく文字間、隣との距離など)
- 筆の選び方はカスレの具合で選ぶといい(もう少し詳しい話だったのですがメモできなかった!)
- 掠らせた後の文字にしっかり墨をつけることで作品が立体的になる
- 主役をわかりやすく凹凸をつける
- 多字数の場合は墨の強弱を強めにつける
- 字数が少ない場合は、自分が今できる目いっぱいをやってみる。ただし文字間など見せないところにも同時に目を配ること
- 直線的な中に、少し曲線を入れること
- 細い線を使っても構わないが、細い線のすぐ近くに2倍以上の線があると不自然になるので、中間の線を足すことで、割れずに自然に見える。
- 買ったばかりの筆は力が伝わりにくい(いつ筆を紙の上に置いたのか分かりにくい)
話し言葉を急いでメモしたので、言葉通りではないかもしれませんが、思い出してもニュアンスはだいたいあっているかなと思います。
主に、粗密と立体感の話に集約されているかな、という感じです。
そうそうひとつ、刺さった(感動したというより、耳が痛いという意味で)言葉がありました。非常に厚手の紙で書いていた人の「紙が厚いので」という言葉に対して放った言葉です。「紙のせいじゃなくて、そういうことを自分に許している、ということなんだよね」