Life is exciting, so let's go ahead!

世の中は楽しい

縦隔腫瘍(胸腺腫)の手術(胸腔鏡下胸腺腫手術)

2026.09.12
 

数年に一度必ず入院・手術している気がする。辟易とするが、だんだん慣れてきた。慣れていいことでもないけど。より重大な病気が見つかる人はいくらでもいるから、余り贅沢も言っていられない。

たまたま検査で、予期せぬ病気が見つかったパタンである。(昨年は左瞼の腫れで眼科に行ったら、右眼の網膜剥離が見つかった。)今回は「シェーグレン症候群」を疑って、膠原病系の病院に行って胸部CTを受けたら、胸腺腫の過形成と縦隔腫瘍らしきものが見つかった。

これだけ病気が多いと(といっても日常に殆ど支障はない。週に数度のランニングもできるし、MTBにも乗れる)自分の寿命について考えてしまうことも正直ある。それゆえに、人生にはいつだって時間はない、という気持ちも湧くし、自分の身体の変化に敏感になることもできる。

病院は「女子医大附属足立医療センター」である。2022年開院の新しい病院なので、施設全体は綺麗だ。縦隔部は両肺の間にある空間なので、「呼吸器外科」が担当する。

胸腺過形成と縦隔腫瘍、胸腺腫

なかなか人に説明しにくい病気である。まずメジャーでない。先に書いたように、縦隔部は肺と肺の間にある空間。ここに胸腺があるのだが、そもそも胸腺ってなんですか?である。胸腺を調べると、骨髄で作られた免疫細胞(T細胞)を育てて、ウイルスなどの敵と戦う能力を訓練する免疫系の小さな臓器であるとのこと。胸骨のすぐ裏側(前縦隔)にある。通常胸腺は、幼児期から思春期に最大化して、通常は大人になるとだんだん縮小する。これが残っているのが胸腺過形成。残っていても所謂がんのような悪性ではないが、「重症筋無力症」という病気に合併することがある。今回の私のケースでは、この胸腺の中に2cm程度の良性と思われる腫瘍がある。おそらく過形成だけなら手術の必要はないと思うが、私の場合は胸腺腫疑い。ただの過形成なら、放置で良いが胸腺腫(縦隔腫瘍)は周囲の組織に広がる可能性があるので、悪性でなくとも悪性と同等の扱いをする。

ただ、胸腺腫はレントゲンには映りにくく(他の臓器の陰に隠れている箇所だから)、胸部CTなどではじめて発見される。私も自覚症状はゼロの状態だった。

書いている私もなんとなく混乱してくる内容で、説明するのはやはり難しい。

術式

縦隔腫瘍が比較的小さなサイズだったので、自動的に胸腔鏡手術になった。これができないと胸中切開になる。素人(?)的には傷の少ない胸腔鏡のような手術を好みたくなるが、実際には切開の方が術野が広く手術はしやすいと思う。胸骨を切って切開なんて聞くとぞっとするけど、

右側から内視鏡と器具を入れるので、麻酔後は右肺には空気を入れずに凹ませた状態で手術を行うとのこと。そんな技があるんだ・・

呼吸器外科病棟

私が入院した4人部屋は、9階。入院棟では10階のVIPルーム(とは書いていない「特別室」と書かれている。診察室もあって駐車場から直接入れると看護師さんから聞いた。芸能人・政治家向けだの部屋だね)に次ぐ最上階。窓際なので、窓からスカイツリーがどーんと見える。夜景の綺麗な部屋。胸腺腫は10万人に1人くらいの珍しい症状なので(ただ、自覚症状がないまま生涯終える人も相当数いると思われる)、同室の方々は主に肺に関する病状で入院している。80代前後の人が多く、私の年齢(60代ぎり手前)は若い方に分類される。

院内には、施設らしき施設はない。東大病院には複数の食堂・コンビニ・カフェ、吹き抜けの庭まで、非常に豊富な施設があるが、ここはローソンがあるのみ。外界の空気を味わう場所がない。まあ、それが普通なのかもしれないが。そんな訳で、はじめてローソンのアプリをスマホに入れてみた。

入院中の仕事環境

入院中に仕事なんかしていると、病院に怒られそうだが。

顧客が皆休暇をとるお盆時期を利用して入院・手術に踏み切った。病室で仕事をするつもりだったので、M2 Mac mini+Acerモバイルモニター 15.6インチ+キーボード+マウス+外部SSDを持ち込んだ。Acerの15.5インチモバイルモニタは、今回の入院にあわせて購入したが、1920×1080とやや横長サイズが作業しやすく、かつUSB Type-C接続なので電源不要で取り回しが非常に良かった。現行のMac miniはさらに小型なので、電源させ確保できれば、持ち出しの組み合わせとしては最強だと思う。問題は、キーボードの静音性に難があったこと。これを機に静音設計のキーボードの購入を意識した。個室なら問題ないが、複数人数の部屋ではやはり気になる。

病院Wifiを契約した。冷蔵庫・TV・Wifiのセットで日額660円。ただ、このWifiがすごく弱い。スマホで使う程度なら問題はないが、PCでは接続が不安定である。PCは位置移動が自由にできないので、スマホをできるだけWifiの強い位置に配置し、そこからテザリングで接続する方法に変更した。結果としてはこれで正解だった。

ちなみに、備え付けのTVでAmazon Fire TV Stickが使えるか確認してみたら使えた。が、病院のWIfiは同時接続2台までなので、接続確認後は解除した。PCを使わないなら利用できるね。

手術当日

全身麻酔の手術は、手術自体は眠っている間に終わるので良いのだが、その後次の日の朝までが強烈にしんどい。これは以前の手術でもそうだったが、今回も同じだった。術後は自室に戻らず看護師が常時手当可能な部屋(今回はHCU)に宿泊する。術後の急変に備えるのだが、この段階では、心電図や尿管などをつけているので、身動きがとりにくく眠れない。背中が痛いし、眠れないまま朝を待つのはとてつもなく長くて、うんざりする。前回は骨髄(背中側)に痛み止めを入れていて、今回は代わりに神経ブロックを使うとのことだったが、やはりきつかった。

私の隣のベッドの人はいびきをかいて眠っていた・・・羨ましい。もうひとつ隣のベッドのおばあさんは「痛いよう痛いよう、先生(看護師さんのことだが)なんとかしてよう」とスズメのような声で、一晩中つぶやいていた。

手術翌日から

傷は脇のすぐ下に6cmほど、もう少し下に2cmほどの傷の2箇所。2箇所だけでできたことに関心する。2cmの傷は胸腔ドレーンというチューブの入っていた跡。胸腔ドレーンは手術終了直前に胸腔内へ留置される細いチューブで、手術後に胸腔内に溜まる血液や胸水、空気を体外へ排出し、肺を正常に膨らませるのが主な役目、

予定では手術2日後くらいにこれを抜くはずだった。が、翌朝HCUで先生が「血液や水もあまりもう出ないようだから、外していいよ」とGOサインをくれたので、管を抜いてそのまま傷を閉じてもらった。(ホチキスみたいなやつで)シャワーは、管を抜いてから2日後くらいからと指定があって、管を早く抜いたことで全体的に予定が前倒しになった。

腫瘍の位置的に右からの切除になったので、傷はどちらも右側。利き手側なのがイマイチだが、仕方ない。意識的に左手を使うようにする。朝は食事なし、一人で歩けるようなら尿管を外して自室へ戻れるとのことで、戻れたと思ったら昼ごはんはいきなり常食だった。まあ、胸腔鏡なので胃腸にはあまり関係ないから当然か。ただ、ほぼ1日絶食だったのでいきなり全部は食べられず。

病院からは3食後にロキソニンが処方された。痛みはそれほど強くないが、力を入れたり咳をしたりするとちょっと響く。右側に力を入れないように注意する。寝返りが打ちにくい。自動で角度を調整できるベットの便利さを非常に感じた。介護には必須だなーとぼんやり考える。

退院まで

13日の夕方に、もう退院してもよいとの許可が降りた。(手術は10日だから3日後、早い!)14日に退院。当初は16日予定だったが、これもドレーンを早く抜いたお陰。開胸手術だったらこうはいかないだろう。切除した縦隔腫瘍の分析は、1週間後の術後の外来で解るとのこと。見た目はあまり問題はなさそう(良性っぽい)だけど、と先生。13日の夜は、窓の外が真っ白になるほどの酷い大雨で、明日退院で大丈夫かと思ったが、翌朝は晴れ。朝からスーツケースに荷物をまとめて、10時前に、挨拶をして病室を後にした。

退院後1週間

1週間後、術後の初診察。切除した腫瘍の病理組織診断結果は、特に問題なしとのこと。これが癌の場合は、胸腺腫ではなく胸腺癌になるわけだ。ただし胸腺腫についても切除後、再発するケースもあるらしい。傷を閉じているホチキスの針みたいなおのを、切って抜いてもらったがこれが結構痛い。

退院後に気になったのは、大きい方の傷の引きつり感。術後の傷ケアの記事を読んで、マイクロポアテープを買ってみた。テープを貼るのは抜糸後から。傷に対して垂直に貼ると書かれているが、実際には引っ張られる方向に対する角度になるので、場所ごとに違うらしい。マイクロポアテープを貼る理由は、主に傷にかかるテンション(ひっぱり)を分散させることにある、という理屈を聞くと、納得できる。

この記事がわかりやすかったかな。
https://www.e-bec.com/archives/5938

テープは術後3ヶ月くらい続けると、どこにでも同じように書かれているので、3ヶ月続けてみよう。

それ以外に問題はほぼなし。もともと自覚症状がなかったので、笑えるほと何も変わらない。ただ、1週間の入院でも、退院直後は歩くとすぐ疲れたりして。運動って大事よねと実感。まだランニングを再開していないので、しばらくは歩くようにしよう。

Category

アンティナ ギフトスタジオ