顔面神経麻痺の形成外科治療 その3
東大病院の形成外科は、専門のHPを開設しています。
http://www.h.u-tokyo.ac.jp/plastic/
このサイトの診療案内の得意分野の筆頭に顔面神経麻痺があり、クリックすると詳細なPDFが表示されます。最後のページまで読むと、相談用のメールアドレスが書いてあり、私は自分の現在の症状とこれまでの治療の経過等をまとめて書き、メールを送りました。
その日のうちに返事が届きました。丁寧なお返事だったのと、返信が早かったこともあって、いい予感がしましたので、受付に電話し、予約をとりました。ちなみに紹介状なしで東京大学病院にかかると8000円がかかります。私の場合、顔面神経麻痺の件で耳鼻科に通っていましたが、最後の訪問から1年以上経っていたため、院内紹介がないと8000円がかってしまうと言われましたが、構わないと伝え予約をとりました。
まずはじめに、先生と話をしました。実際に指示に従って顔を動かしてみて、更に現状を把握してもらってから、
「まず何が一番気になるか、気になる順番に話してみてください」
と言われました。私は、①右目のまぶたが下がって重たい感じ・やや視野が狭いような感じがする ②右側の口の動きが悪いこと ③口を動かすと、右目が一緒に閉じてしまうこと(共動運動) の3つをあげました。それを聞いた先生は、そのぞれについて具体的に何ができるかを詳しく話してくれました。
私が解消したいことの1番はとにかく右目でした、②は治療しようとすると大掛かりな手術(別の箇所の神経を移植する、など)になることは知っていましたので、これは期待していないことも伝えました。先生も、そこまでの手術を必要とするほど動かないわけではない(ある程度動いている)ので、必要ないと思うとのことでした。
①についてのアプローチ主に2つ。
(1)瞼の上を少し切って直接あげる(少し傷が残るが、効果は出やすい)
(2)額の際の部分を切って、ここから瞼を引き上げる(傷は額際にしかできないので目立たないが、(1)より効果が薄い、手術の規模はこちらの方が大きい)
傷が残ることを気にするかどうかで(1)を選ぶかどうかが決まるとのこと。20〜40代くらいの女性は、傷を気にして(2)にすることが多く、ある程度年齢がいったひとは(1)で良いことが多く、「50代くらいが一番微妙で難しいですね。前髪を垂らしたりするようなヘアスタイルならまず気になることはないですが。」
手術の規模が大きいにも関わらず効果が薄い手術をわざわざする気になれなかったので、私は割と即決で(1)にして欲しいと伝えました。先生は、(1)の場合、同時に③の共同運動を若干軽減させることもできるかもしれないとおっしゃいました。
「手術自体は、すごく簡単な手術で研修医でもできるくらいのことなんですが、ただ上にやたらと釣り上げればいいかというと、顔面神経麻痺の患者さんの場合は、瞬きが出来ているかどうかが問題になります。」
「やっぱりそうですか、そうですよね。」
「それで、まずは今日スピードカメラで瞬きを撮影させてもらって、それを解析します。解析に1か月くらいかかるので、次回は1ヶ月になりますが良いですか?」
「はい、構いません」
「じゃあ、後ほど別の部屋で撮影をしますので、もう一度待合で待っていてください。準備します。撮影してくれるのは、先日メールの返信をしてくれた先生です。」
撮影は数分で終わりました。メールを返信してくれた先生は、若い先生でした。メールのお礼を伝えると、HPは自分が作っていると言っていました。
撮影検査の結果は1か月後。結果は「瞬きはほぼ正常」なので手術可能と言われました。具体的な日程については、手術自体は30分ほどで、麻酔も局部麻酔だけで行うのですが、手術前日とその後2日くらいは(ぶつけて出血したりすると困るので)、入院して欲しいと言われました。正直、仕事もあるので、できれば入院は避けたい。が、3泊4日は必要ということか。。まあ、仕方ない。抜糸は手術から1週間後なので、退院後数日したらもう一度来院することになります。
現在は、手術待ち。
実際に手術したら、また続きを書きたいと思います。